昨日の記事(「正直言うと…。」)へのコメントで、とても大事なご指摘を頂いて、お返事を書いていたら長文になりそうだったので、記事にして書こうと思います。
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何度となく考えていたつもりのことが、日々の中で曖昧になりかけていて、改めて考えていることの断片ををここに残しておきたいという気持ちもあります。コメント頂いた趣旨からはみ出してしまう部分が多々あるかも知れません。でも記事にすることをご承諾頂いたので、殴り書こうと思います。
スタートしたばかりの人間の不安と不遜が入り混じった中身です。読み直しながら書くと時間がかかりそうなので、書き終わったら速攻公開します。読みにくかったらすみません(前置き長いですね)。
キッチリした戦略があり、それを一心不乱に実行していく、そうありたいと思います。特に、スタートなんだからそうありたい。でも現実はチマチマと悩んでいます。
そんな中、コメントで大事なご指摘を頂きました。
「何がしかリスクは背負わないといけない」
昨日の記事には表現しきれていませんが、わかっていたつもりでも穏便な形に落ち着かせてスタートしようとしているという自覚がありました。ホームページの事ひとつとってもそうです。
そして問題は、どのリスクを取るべきか、自信が持てないということです。金銭的リスク、同業者を敵にまわすリスク、あいつは頭がおかしいと言われるリスク(これは大したリスクじゃありせんね)。
たとえば、仲介手数料についても、正規でいくか、一律半額にするか、無料にするか、その迷いの産物が期間限定の手数料割引キャンペーンです。手数料の値引きや無料のインパクトがどれくらいあるのかが実感としてわからないのです。この件は以前のコメントでも教えて頂きとても参考になったのですが、「実感」として良くわかっていないのです。
調べられる事は調べます。数値でわかるものなども参考にします。でもわからないのです。
本当は、業界経験を経て「実感」を積み重ね「臭い」を嗅ぎとれるようになって始めるべきなのでしょうね。本当にその著しい不足を感じます。
コメントでは、実際の経験の中でお考えになったことを端的に教えて下さっています。きっと多くの経営者が日々の仕事の中で悩み考えながら進まれているのだと思います。
とにかく何でもいいから不動産屋の仕事をこなしていかなければいけない、それが今の自分なのだと思います。
「業界のあり方と自分の立ち位置」
会社の経営が第一です。本当にご指摘の通りです。もっと言えば生きていくのに精一杯です。「業界を良くする」なんて大それたことは考える余裕がありません。
同業者を敵にまわすことも厭いません。進む道がはっきりしているなら、万一色んな嫌がらせを受けることがあるとしても構いません。ビジネスとはそういうものだと思っているつもりです。
このブログで「仲介手数料無料と「抜き」行為 ‐ 不動産業のあり方を問うテーマを含んでいるかも ‐」という記事へのアクセスが多いことを見て、時々思います。
あの頃の記事は特にそうですが、何となく綺麗事っぽく見える書き方をしています。
でも、あの記事を書いた時も、「外から見ると不可解なことが普通に行われている不動産業界にはツッコミどころが満載なのではないか」「お客さんの利益に反すること、お客さんが不満や不安に思っていることが多くあるのなら、そこにチャンスがあるのではないか」とビジネスのチャンスを探していたのです。
業界の中の人であれば、わかり切っている事でも、それぞれ既存のビジネスのやり方があるから簡単には変えられない。業界擦れしていない自分が新規参入するなら、切り込んでいけるのではないか。業界内のルールよりも消費者の利益の方が大事でしょ?と。
恥ずかしいですがそう思いながら書いていたのです。簡単に言えば「出し抜ける」ではないかと。
でも…いまだにそう思っているところはあります。
今日も外出したついでに同業者の先輩に、主に賃貸仲介の現場の実際を色々話してもらいましたが、(その方がそうだと言うことではないのですが)お客さんの利益にそわない現実を改めて感じました(賃貸仲介の現実は、オーナー・管理会社・客付会社それぞれの力関係がグルグルしながら、お客さんと無関係な要素で回っているようにも思えてきます)
しかし、何にせよ自分が現実に触れなきゃいけません。そういうレベルです。その代わり、1件ずつから大切なエッセンスを感じとりながら経験したいと思います。
「仲介という仕事」
自分自身が商品を企画したりアレンジしたりできるのかどうか、それはとても大きなことだな、と思います。サラリーマン時代は何でも屋だったので、商品企画もやりましたが、市場に合わせて、あるいは市場の隙間を狙って、商品を作ったりアレンジ出来ることが、ピンチを救ったり、チャンスを拡げたりしました。
物件を集めたりサイトに登録したりしていると、まさに「人の商品を右から左へ流す仕事」なのだな、と実感します。 私自身が、人の商品を右から左へ流すだけのことをしようと思っているのではないか、と思えてきます(注)。お客さんにとっての一番の関心は、物件そのものだと思いますし、物件を探しながら自分自身が「ああ、この物件広告したいな」と思ったり、その逆だったりすることで改めて思います。
(注)
コメントで指摘頂いて本当にその通りだな、と思いましたので表現を改めました。また、昨日頂いたコメントの本来の意図にも沿わない引用の仕方であったと思います。申し訳ありません。この後の文章にも「仲介」という仕事へ個人的な思考のあれこれを書いており、表現や思考自体にも軽率な部分があるかも知れませんが、それが現時点での等身大の自分です。ただ決して現実の仲介業務が簡単で重みのないものだと言う意図はありません。
仲介という仕事は、理屈の上では仲介行為そのものが商品だと思います。でも、事実上は違う。物件の持つパワーに匹敵するような仲介サービスという「商品」は存在しうるのでしょうか。以前は(物件の)情報の偏在が大きくて、情報を仕入れ、提供することこそが仲介のサービスの中心だったのかも知れません。協会の開業説明会でも「不動産業は情報産業です」と説明されていた方がいらっしゃいました。
でも、コメントでも指摘頂いたとおり、情報の偏在は大きく均されています。もちろん、偏在がなくなった訳じゃなく、今でもまさに情報サービスとしての仲介で成り立っている方もいらっしゃるに違いありません。しかし、この先それで成り立つでしょうか。
ホームページに物件登録する際、やはり物件数が気になりました。どれだけエリアの物件を掲載できるか、それでもってエリア特化のイメージをアピールしたいという考えです。でも、作業しながら気づいていました。こんなのあまり意味はないなあ、と。「情報をたくさんもってますアピール」です。本当はそうじゃないのに。かといって、近隣の競合に見劣りしないぐらいは掲載しておきたいという気持ちを抑えることはできません。
本当、どこにいっても物件は同じなら、お客さんは大手(もしくは大手に見えるところ)に行こうと思うでしょう。それに、売買はもちろん賃貸だって一生にそう何度も不動産屋を利用するわけじゃなし、「日頃から不動産屋にはこういう不満がたまってるんだよなあ」なんてことはそうそうなく、一方で業界への不信みたいなものは長年刷り込まれているとすれば、大手志向は当然だと言えます(さきほど出てきた同業者の先輩には、今日「フランチャイズ入っちゃえば」とも言われました)。
仲介というサービスにおける差別化要素は?そこに着目して仕事をされている方もきっと多数おられるでしょう。特に売買仲介には工夫の余地が多少はありそうです。それでもとても難しいのでしょうが…(私は早い時期に売買仲介も始めようと思っています)。では賃貸仲介は?賃貸仲介においてお客さんに選ばれる仲介サービスって?
うまい?安い?安くてうまい?高くて超うまい?(あ、報酬上限あるか…)
例の「抜き」の話題の記事にも似たようなことを書いていますが、「仲介」は社会に求められているのでしょうか。いずれは消滅するのでしょうか。
そもそも何故「仲介」にこだわるのか。こだわる必要はありません。そこから始めるのは、参入障壁が低いということも多分にあります。
自分のような零細スタートが市場や業界にインパクトを与えられるなんて思えません。年配の同業者には「隅っこで細々と食わせてもらえば」なんて言っています(いやらしいですね)。
でも、売主・買主、貸主・借主の本来対立する利害をうまく調整して、互いが納得する取引を成立させる。将来にわたって出来るだけ問題が生じないように、プロとして落としどころを探り、法律・制度や不動産そのものに関する知識を背景に契約書を作り決済・履行まで見届ける。横から見ているといとも簡単に行われている取引が、私にはそう簡単なものには思えません。
うまく言えませんが、ぶん投げて、やっちゃって、みたいなことなら簡単だし、仲介がそういうものなら、やっぱり要らないのでしょうけど。
仲介じゃないですけど、いわゆる超大手が販売代理の新築マンションを購入した時、購入手続のプロセスは愉快なものじゃありませんでした。問題にならないように(とはいえ売主にとっての問題ですが)形式だけはしっかりしてましたし、慇懃でしたが、ぶっちゃけただの作業です。おかしいと思うことも多々。
どうしてこうなんだろ。高額商品なのに。人間の心身や幸福感にものすごく大きな影響を与える「住」に関わる仕事なのに。
いかん、なんか業界批判みたいになってますね。おこがましい。
そう、批判じゃなくて、欲しいのは選ばれるサービスのヒント・アイディアです。
コメントに書いて下さいました。『まずは生き残る事を選び、「プライド」を捨てて頑張っている』。本当にそう。生き残らなきゃいけません。生き残ってこその志です。生き残るためならなんだってやります。
でもさらに「いつかは立派に手数料貰える不動産屋になる様に頑張ります」と書いて下さっています。
ぐるぐると回って訳のわからない文章になってしまった気もします。読み直していませんが、ものすごく長文になりました。すみません。まとまりません。
でも、書きながら思いました。私に足りないのは「志」です。不動産に携わる人間としての。
生き残るためには、「志」を一時心の中に閉じ込めておかなきゃいけないかも知れない。やりたかった仕事の形になんてなかなか手が届かないかも知れない。我慢して我慢して乗り切っていかなきゃならない。
でも、だからこそ生き残るためには「志」が必要だと感じます。コメントを頂いてそれがすごくクリアになりました。本当に感謝です。
自ら選んだ不動産業。夢も希望もあります。不動産の世界に浸み込み、不動産を自分に浸み込ませる。うすらぼんやりした「志」が強固な「志」に変わるまで、とにかくどんどんとぶつかっていこう。そう思います。
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こんな乱雑な長文、ここまで読んで下さってありがとうございました。
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グリフィンさん、こんばんは。
私はグリフィンさんとは一度もお会いしたことがないですが、
今まで記事をお読みして、何となくお人柄はわかったような
つもりでいます。
真摯な態度で新しい世界に足を踏みこんで、その中で
必死に前へ進もうとされている姿が目に浮かびます。
あるワード、あるセンテンスを切り取って、過敏に反応し
非難することは、私はしたくありません。
会ったことはないけれど、限られた世界の中で、
グリフィンさんのことを理解しようといつも考えています。
これまでの書き込みや前後の書き込みで言っている意味は
十分理解できるかなと思っています。
これからもがんばってください。
私も来年の開業に向けて、いろいろ具体的に動き出しました。
動いてみると、いろいろ周囲に変化が出てきますし、
準備すべきことが少しずつ見えてきつつあります。
まだまだ不安ばかりですが、頑張りたいと思います。
だめかもと思っているより、何とかなるかもと思っていたほうが
本当に何とかなるような気がしています。
私はこのブログが初めてのブログですし、他のブログのコメント欄や掲示板などで誰かと会話したこともありませんでした。
ですから、記事にリアルな自分を書いているかというと、そうはなっていないのだと思います。そういう意味では現実の私は頑なで、閉じた人間なのかも知れません。いつも記事を書いた後、おりこうさんに見えすぎると思っています。
でも文章とは不思議なもので、自分の気分や感情や思考のリアルな一部が反映されるものだとも思います。自分のいい加減さや軽率さや甘さや矛盾も。言葉というものをあまり信用していない私ですが、それでも言葉というのはすごいものだと思います。
経験のない業界に入りたての今、簡単な道のりではないということを改めて痛感し始めています。それでもなお、不動産業というものに魅力を感じていますし、それを選んだ自分を信じています。
またおりこうさんに見えてしまうかも知れないですね(笑)。
でも、本当になんというか「クリア」になってきているんです。元気に頑張ります。
ラストショーさんも動き始められたのですね。本当に応援していますよ。
いつも温かい目で応援してくださって、とても嬉しいです。
ごめんなさい。僕の「人の商品を右から左へ流す仕事」の発言が誤解を招いてし
まっている様で・・・
要は不動産業界でも売主・貸主は金融機関から多額の借り入れをして物件をつくり、
それを売って返済している所が殆どです。なので売れなかった時のリスクが不動
産仲介とはわけが違います。仲介業はA物件で反響があってもB物件で 決まれ
ば問題無。
A物件でしか決めれなかったら意味がない売主さんからしたら『リスクは低い』
です。
グリフィンさんも『空中店舗』で営業されていますから、『リスクは低い』方に
入ると思います。そうすれば同じ仲介業でも『銀行から多額の借り入れ をし
て、多くの従業員を雇って営業をしている』大手不動産業者と同じ様な事をして
も負けてしまうという事が言いたかったわけです。
金銭的リスクを負わなければ、法人の総務に片っ端から社宅の飛び込み訪問、古
い戸建てがあれば所有者探して売却依頼の飛込み訪問等して、結果罵倒 される
だけとか『リスクを負います』
一般媒介のチラシを撒いてオープンハウスとかネット集客とかはやはり『甘い』
気がします。
経営というのは『リスクを背負って、それを乗り越えた人が勝つ』と思います。
いえ、私の引用の仕方も悪かったですし、自分の甘さも背景にあると思っています。
私としては、仲介というサービスにも質的な優劣があって、それはどの不動産会社を選ぶかによって差があるけれど、一般のお客さんからはそれが見えていないんじゃないかということと、自分自身が仲介の質で選ばれるようになりたい、ということを言いたかったです。
たまたま昨日話をしてきた同業者の先輩(賃貸管理を中心にやられています)は、業界の大きな変動にさらされながらも、大家さんや借主さんのことを必死で考えながら大変な苦労をされながら信頼を得られているのだと感じました。
物件の力は大きいけれど、でも仲介や管理の質がお客さんの将来を左右するのじゃないか、と思います。客付であってもそれを強く意識しなければいけないのではないかと。
しかし、客付でしかも空中店舗でというのは「リスク」から考えたいわば消去法的な考えであったことも否めず、一昨日感じていたことのひとつは、そのことの「甘さ」です。「正直言うと…」で「落ち込んでいる訳ではない」と書いたのは全然正直ではありません。HPからの問い合わせの記事を書いた後、落ち込んでいたのです。
そこでとおりすがりさんに、ズドンと効くコメントを頂いたので、今一度自分を見直す良い機会を頂いた気がしました。
仲介の責任、ということについて厳しいコメントを頂いたのも、「誤解」の部分だけではなく、そんな「甘さ」が滲み出ていることを感じとられてのことではないかと思い、かなり真剣に受け止めています。またコメントを頂いたことに感謝もしています。
とおりすがりさん、あるリスクを取らないなら他のリスクを背負わなければいけない、それを乗り越えなければ消えるしかない。本当にそれをやり切る事ができるかどうか。それが生き残るための勝負なのですね。頭でわかっていたつもりの事でも、本当に経営に向かい合いながらいつもそれを自分に問いかけ課していかなければいけないのですね。
自分にはこの身体と頭しかない。日々そう感じます。これを使い切ってぶち当たるしかない。肝に銘じます。
長くなって申し訳ありませんでしたが、今回は、このブログを書いていて本当に良かったな、と思いました。
とおりすがりさん、本当にありがとうございます。
こんにちは。
>まさに「人の商品を右から左へ流す仕事」なのだな、と実感します。
きれいごと言っているだけですね。
賃貸仲介しか頭に描いていないから、この言葉が出るのでしょう。
売買仲介をすれば、売った後も責任が付きまとうし、賃貸仲介にしても、管理物件を抱えれば、賃貸仲介した後で、その物件を管理していくなら、入居希望者の属性を注意して、賃貸仲介業務をするでしょうし。
自分の物件がないから、賃貸仲介で「人の商品を右から左へ流す仕事」という言葉が出るとしか思えません。
TOMさん、読み返してみて、厳しいコメントを頂くのは当然だと思いました。
殴り書いたので舌足らずだったと思いますが、実際の仲介がただ「人の商品を右から左へと流す仕事」だと思っている訳ではないのです。
おっしゃる通り、現時点で自分の物件がなく、また仲介の現場をまったく理解しきれていないからこそ、そういう舌足らずな表現になったとも言えます。
実際に仲介に携わっている先輩方に不快な書き方であったと思います。
少し注釈か訂正を入れようと思います。