不動産会社を開業する際、損害保険代理店になることは多いと思います。私の会社も開業直後に損保代理店になっています。
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※ ちなみにこの記事、結構前に書いてあったのですが、タイミングを逸し、時が過ぎるとアップするほどのものじゃないか、と思って放置していました。不動産会社開業にあたって、このあたりは悩むことではなく、とにかくどこかの保険会社に連絡して代理店営業担当者から話を聞くのがてっとり早いと思います。代理店になることを決めれば、募集人試験のことなども含め、何もかも手配してくれるはずです。でも、記事を捨てるのももったいないのでアップしちゃいます(笑)。
居住用賃貸だけを考えると少額短期保険の方でも良いかとも思いました。代理店手数料率も少短の方が高いようですし。しかし、売買を扱うことや、事業用借主の色々なニーズ等を考えて、普通に損害保険会社の代理店に。
考え方によっては、自ら代理店にはならないで、どこか近隣の代理店と提携して全てそちらにふってしまう、という手もあるとは思います。簡単とは言っても多少の手間はあるわけですし。
私は、お客さんの利便性を考えて代理店になることにしました。お客さんが面倒なよりは自分が面倒な方がいいかな、と。また、お客さんとの信頼関係ができていれば、お客さんにとってもそこで保険までやれる方が安心ですものね。
弊社が代理店となった保険会社、代理店契約継続の条件として、年間一定の保険料収入があることが求められていますが、その条件が問題になるのは代理店になてから3年後とのことでした。賃貸のみでクリアできるような条件ではないのですが、売買をやるようになれば大丈夫かもというのと、この条件も杓子定規に適用されるわけでもないそうなので、後のことは後で考えることにしました。
以降、代理店になるプロセスを簡単に書いておきます。
(注) 情報は2012年10月時点での情報です。
損害保険募集人一般試験
損害保険代理店になるには、内閣総理大臣(実務上は財務(支)局長)の登録を受けなければならず、また、保険募集を行う者について募集人届出をしなければなりません。そして、この代理店登録・募集人届出の要件として、損害保険募集人一般試験の合格が求められます。
後の方で書きますが、難しくはない部類の試験なので、取り立てて書くほどのこともない気もします。随時受験できるものだし。それでも何かと試験というものは不安になることもあるでしょうから、一応書いておきます。
1.随時受験できる
2011年10月からこの試験はコンピュータ試験(CBT試験)になり、全国各地にある試験運営会社のテストセンターで行われています。
希望の日時にテストセンターに空きがあれば、受験することができます。
参考リンク : テストセンターでの損害保険募集人一般試験CBT体験版のページ
受験の申込は代理店になる保険会社の担当者がほとんどやってくれます。
2.試験は「基礎単位」と「商品単位」
試験は「基礎単位」と「商品単位」に分かれており、「商品単位」はさらに「自動車保険単位」「火災保険単位」「障害疾病保険単位」に分かれています。
「基礎単位」に合格しなければ保険募集はできず、「商品単位」に合格しないと、それぞれに該当する商品の募集はできません。
私の場合は「基礎単位」と「火災保険単位」 を受験、受験料は3,600円です。
※もちろん「自動車保険単位」や「障害疾病保険単位」も受験してそれらを扱うようにすることもできますが、専業代理店になる訳でもなく不動産業務に付随してのことなので今の私には必要ありません。
3.試験時間等
基礎単位は、試験時間40分、問題数50問、各2点(100点満点)、合格ライン70点です。
商品単位は、各単位ごとに、試験時間40分、問題数20問、各5点(100点満点)、合格ライン70点です。
テストセンターでは、基礎単位→商品単位と試験が進みますが、基礎単位を早く終われば試験時間終了前でも商品単位に進むことができます。また、商品単位も早く終わればそこで自ら試験終了とすることもできます。
4.対策
保険会社がくれるテキストと練習問題集(全4冊でした)を使って勉強します。
これ以外に何か資料を見る必要はありません。また、自分の受験する範囲だけを見ればOKです。
保険会社が主催する勉強会のようなものもあるらしいのですが、私は行っておらず、必要性などはよくわかりません。
尚、商品単位については、本番の際、端末の画面左側にテキストが表示され参照しながら回答することができます。基礎単位についてはテキストを参照することはできません。
5.難易度
簡単な試験だと思います。コンプライアンスに関する出題などは、常識問題のような部分もあります。この辺は運転免許の学科試験の感じです。
ただ、 全く知らなければ回答できないような問題ももちろん出ます。
商品単位の方はテキストを参照できるので、テキストをざっと読んでどこに何が書いてあるのかぐらいは最低限見ておくという対策でも満点とれる可能性もあるとは思います。でも、それだけだと本番で意外と時間がかかって焦る可能性もなきにしもあらずです。やはりある程度内容を頭に入れておいた方が良いと思います。
また、商品は保険会社によって異なるとはいえ、ここで勉強する内容は実際扱う商品について知っておくべき共通の内容なので、後々のためには良く知っておいた方がよいと思います。以前保険の代理店の人に説明を求めたらテキトーに間違った説明された経験があります…。
基礎単位の方はテキストを参照できないので、一通り目を通して重要な部分を暗記しておくべきです。
基礎単位 → 重要項目は暗記する。
商品単位 → 内容を理解しつつ、ある項目の詳細を知るためにはテキストのどこを見れば良いのかを把握していく。正確な暗記は不要。
という感じでしょうか。
また、テキストの練習問題や模試はやっておいた方が良いと思います。ほぼ同じ問題が出る事も多いです。ただ、どの問題にも出ていなかった部分が数問は出ていました。
簡単な試験ではありますが、今まで保険のことなど何も知らなかったという人が、全く何もしなくても大丈夫かどうかは微妙です。やはり試験対策をする時間を念頭において試験日を決めた方が良いと思います。
まあ、合格基準が各70点で、一度テキストを見たことがあれば正答できる問題も多く出題されるため、少し勉強してのぞめば大丈夫だとは思います。それに万一のことがあったとしても、たぶん受験料さえ払えばすぐに再チャレンジできるのでしょう(たぶん)。
でも、難しい試験を受けるより、合格して当たり前の試験を受けるほうが変なプレッシャーがかかる人も多いのでは?社命により受験する人もいるでしょうし。そういう方は、1日2時間ずつ1週間ぐらい勉強して満点を目指す、というのが良いのかもしれません。まあ、早めに勉強に着手しておくに越した事はないですね。
正直、微妙な難易度(というか簡単さ)なので、どれくらい勉強すればよいかという匙加減がかえって難しいです。合格しさえすればいいんですが、合格ラインぎりぎりあたりを狙う方がかえって難しい気もしますので、この試験に関してはあえて満点を目指そうと言っておきます。
とにかく保険会社から受け取ったテキストは一通りやっておいたほうが良いです。保険初心者からすれば後々無駄にはならない内容だと思いますし。
代理店登録
損害保険募集人一般試験に合格したら、保険会社が代理店登録の手続きをしてくれます。この時、登録に必要な費用は15,000円(10,000円と5,000円の収入印紙)です。
前にも書いた気がしますが、法人の場合、定款の目的に「損害保険代理業」などの文言がない場合は、定款の目的を変更する登記が必要になり費用もかかります(登録免許税30,000円)。設立の際(設立後の場合は他の定款変更と同時に)文言を加えておくのが良いです。
登録には3週間前後かかります。
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さて、居住用賃貸だと、入居者が加入するのは、ほぼ100%元付指定の保険です。実際、居住用でうちの保険に入った人はいません。大手直営の客付会社などでは違うパターンもあるようですけど。
逆に事業用賃貸については、うちの保険に入ってもらえることが多いです。
「入居条件として借家人賠償責任付の保険加入義務はありますが、うちじゃなきゃダメというわけではないですよ」と伝えても、皆さんうちで加入します。面倒がないし、すでに色々やりとりしているので安心、ということなのでしょうね。
私個人としては、「保険ってわかりにくい」 と思います。わかりやすくしているように見えるパンフレットなども、読み込んでいくと、「きっとお客さんにはわからないだろうなあ」と思う部分が多々あります。自分が良く理解していないと、お客さんを不必要な保険に加入させたり、必要な補償が受けられなかったりということになり兼ねない気がするので、最初の頃はかなり細かく調べました。商品の改定なども意外と頻繁にありますし。
店舗賃借のお客さんに開業後の計画などを色々話してもらいながら、最適だと思われる保険商品を最適な保険金額で提案できると、やはりお客さんは安心してくれる気がします。不動産会社としては保険業務はおまけみたいなものですけど、自分としても、良いものに加入してもらえたと思うと満足感もあります。
ちなみに、見積書・申込書他の書類は保険会社のオンラインシステムでPCから簡単に出せます(きっとどこの会社もそうでしょう)ので、手続についてはほとんど面倒なことはありません。
代理店手数料収入も、積み重なって行けば更新の度に入ってきますし、その都度お客さんと接することもできますので、代理店になっておくのは悪くないと思います。
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