不動産業開業を検討されている読者の方とのメール。

昨日、久々にブログを更新し、さらに単なる「元気ですよ」更新だったので、連日更新してみました。

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メールフォームでとある読者の方からご連絡を頂きました。独立開業を検討されているサラリーマンの方で、不動産業開業に強い関心を寄せておられます。不動産業界経験のない方です。

メールの中でご質問を頂き、要約すると、「未経験で不動産屋を開業することには否定的な意見を言われることが多い。自分自身は、一人で経費を少なく抑えて地道に努力していけば、良くある年配のおじさんが一人でやっている不動産屋のようにやっていけると思うが、このように小さく個人でがんばるというやり方はありだと思うか。」という趣旨の内容でした。

私自身は開業を控えているとはいえ、未だに不動産業界未経験者であることに変わりありません。ですから、本当はこのようなご質問にお答えする資格はないと思います。

でも、独立開業を検討している方からの真剣なご質問ですので、自分の考えぐらいはお伝えしたいと思い、不遜ながらも自分のつたない考えをお伝えしました。

こんなブログでも、私と同じように思い悩みながらも進もうとされている読者の方から、励ましのご連絡やご相談・ご質問を頂くことがあり、とてもありがたく思っています。ですので、今回は私の返信内容をほんの少しだけ加筆・修正して、ほぼ原文のまま記事に載せることにしました。

ご本人(仮にAさんとしています)も「僕のように悩んでいる方のヒントにしていただければうれしいです」と快くご承諾下さいました。

 

□□□□□□□□

Aさん、はじめまして。ご連絡ありがとうございます。

『未経験から始める不動産業』のグリフィンです。
ブログをお読み頂いてありがとうございます。

まず最初に、こんな風にメールを頂いたり、コメント頂いたりするのはとても嬉しいです。今後ともお気軽にご連絡下さい。

ちょっと長いお返事になりますがお許しください。

私は一昨年末に会社を設立しましたが、ご存知の通り目前とはいえ不動産業開業前の身ですから、独立開業について成し遂げたことは未だなく、適切なアドバイスができるとは思えません。あくまでも現時点での考えをお伝えすることしかできませんので、ほんの少しだけご参考にされるぐらいに考えて頂ければと思います。

ご質問の「小さく個人でがんばるやり方はありか?」という件ですが、「あり」だと思います。というよりも、私自身会社として事業を行うとはいえ、一人会社ですから、まさに「小さく個人でがんばる」というスタートです。

家族もいて食べて行かなければいけないので、安定した収益はやはり必要ですが、「大儲けしたい」という考えで独立した訳ではありません。ちょっと綺麗事っぽいですが、自分が価値があると思える仕事を、あるいは価値を生み出せるような仕事をして行きたい、という想いが独立した動機です。

ただ、小さく始めるとは言え、成長・拡大戦略のようなものは持っていた方が良いのではないかと思っています。小さく均衡して持続していくことを最初から目標にすると、持続できない可能性が高いのではないかと思うのです。財務内容が常にギリギリな感じだと、ちょっとしたつまずきで、ダメになってしまうこともあり得ますし、競争の中で生き延びて行く為に新たに仕掛けていく、ということもやりにくいのではないかと思います。あまり好きな言い方ではありませんが、「負けないようにしよう」と考えるのでは負けてしまうのではないか、どこかで「勝つ」という算段をしないと生き延びることも難しいのではないか、と思っています。

いつ見ても座って新聞を読んでいるような街の不動産屋さんが、どうやって商売しているのか、未だによくわかっているとは言えませんが、長年の地道な努力で賃貸の管理物件を多数抱えているとか、独自の情報ルートを築いていていわゆる「おいしい」売買情報なんかを早く入手できるとか、エンドユーザーとの取引ではなく業者間の取引を中心に効率よく稼ぐノウハウを持っているとか、そういう何かがあるのだと思います。ただ、そういった不動産屋さんは昔に比べると減っているのではないでしょうか。

不動産業界を取り巻く状況は決して楽観視できるようなものではなく、大手も含め少ないパイを争って生き残りゲームのようになっているのは現実だと思います。特にネットの普及によって大きく変化してきたユーザーの動向についていけない中小・零細は、淘汰されてきたと思いますし、今もそれは続いているのではないかと思います。実際、開業も多い反面、廃業もとても多い状況です。

ですから、「年配のおじさんが一人で営業しているような小さな不動産屋」をイメージ・モデルにするのは得策ではないように思います。

私は小さな会社が「生き延びる」または「成長する」ためには、他の会社がやっている当たり前のことをやれることを前提としつつ、大きな会社や古い会社がやらないような「何か」をしっかり仕掛けて行くこと、その努力を継続すること、が必要だと考えています。不動産業は昔からある古い業界ですが、前からあるモデルをなぞって行こうとすると、それらとともに沈没してしまいそうな気がします。その「何か」は私自身模索中で、現時点で中身をお伝えすることは難しいのですが、独立開業する方は、必ずこの部分についてしっかりとした考えを持つことは必要なのではないかと思います。

不動産業に限らず、未経験業界に会社を設立して突っ込んでいくなんて、普通の人は「やめとけ」と言うと思います。一般に売られている不動産屋開業に関する本なんかを読むと、「未経験者でも大丈夫」というスタンスで書かれていることが多いですが、それはやはり、「未経験でもやれると言って欲しい」と思っている読者を想定して本を売ろうとしているからだと私は思います。同じ規模で始めるとすれば、どう考えても業界経験者の方が有利だと思いますし、パイが縮小している状況の中でははじき出される可能性も十分あると思います。だから、「未経験者でも大丈夫!」と太鼓判を押してもらうなんてことは望むべくもない、と私自身思います。

それでも、私が不動産業界に飛び込むのは、自分なりの考えを実践し、その結果を確かめたいからです。この考えがあれば「やれるはずだ」と自分なりに考えているからです。ただ、「家計を支える仕事」という面からすると、「確かめる」なんて悠長すぎる表現です。やはり独立開業は「賭け」であると思います。私自身、ぐるぐると色々考えているうちに冷や汗が出てくることもあります。

ただ、おっしゃる通り、不動産業は「仲介」や「管理」に徹するなら、先行投資が少なく在庫も抱えないリスクの少ない商売だとは思います。検討される価値は十分あると思います。

長々と書いてしまいましたが、自分自身が会社を退職する前も、会社を設立してからも、色々と紆余曲折があり思い悩みもしたので、つい力が入ってしまいました。

できるだけ中立な感じで考える材料にして頂けるように書いたつもりですが、きっとまだ不動産業に限らず色々な可能性も模索されている中だと思いますので、ほんの少しだけ参考にして頂ければ幸いです。

メールやコメント、お気軽にして下さい。

それではまた。

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このブログを書き始めたのも、自分自身が起業や不動産業開業について、少しでも有益で身近に感じられるような情報に触れたいと思ったとき、それが意外と難しかったこともあり、少しでも誰かの参考になればと思ったからです。「お教えする」というスタンスではなく、「こういう考えでやってる人もいるんだな」ということで参考にしてもらえれば、という気持ちでお返事を書き、ここにも載せることにしました。

お返事させて頂いた内容は、自分で読んでも漠然として具体性に欠ける感じですが、業界未経験・開業前の私が言えることはこの程度です。

 

—————————————–

自分自身の正直な気持ちを言えば、生意気ですが不動産業界の常識に縛られない考えを持って不動産会社を始める方が増えて行き、色々な交流をしていけたらいいな、と望んでいます。

でも恐らく、未経験で不動産業を始めることは、一般の尺度からすれば非常識なんです。

先日、近隣で同時期に開業される方と知り合い、喫茶店で長々と話しました。その人も不動産業界は未経験です。でも、前職の関係で、税理士や会計士等とのパイプがあり、相続絡み等で売り物件情報を素早く入手できるルートを既に確保しています。

また、これまで何人かの業界の先輩方に、「未経験開業とは言っても、多くは関連業界にいた人がほとんどで、全く関係のない業界から未経験のまま来る人はあまり知らないよ」と言われました。

とある人には、起業前に在籍していた会社を指して 「ここに居続けた方が良かったんじゃない?」 と言われました(詳しくは書きませんが、この場、このタイミングでそれを言う?みたいなシチュエーションでしたよ)。

それに加えて、私はよそ者なので、その事に関しても怪訝な反応をされることはとても多いです。

当然ながら「舐められてる」と思うこともあります。私は(たぶん)気が強いので、そう思うと余計気合いが入りますが…。

私自身、まだわからないことだらけです。

世間の常識的な尺度で考えると、かなり無理のある道を進もうとしている、ということ自体は認識しておくべきだと自覚しています。

 

でも、私の場合結局のところ…

「誰が何言おうと、んなこたあ関係ねえ!」

です。

自分がやりたいこと、そしてやれると信じていることをやるだけです。

 

 

 

何だか少し話が逸れていった気もしますが…。

生活がかかっており、自分が背負う者達への責任もあるなら、悩み考えるのは当然です。そして、悩み考え切ることはすごく大事なことだと思います。それが中途半端だといつまでも悩みます。何かを「変える」ことであれ、「変えない」ことであれ、悩み切って「選ぶ」ことが大事だと思います。読者の方々の中に、今悩まれている方がおられるなら、とことん悩み切って、ご自分にとって最も良い選択をされたら良いな、と願っています。

 

私自身は、同じように未経験開業を検討されている方、私よりも少し早く開業された方、しっかりとした業界経験を持って開業される方、様々な方からお声をかけて頂くことが嬉しく、また励みになっています。

読者の方々に、私を未経験開業のサンプルとして冷静に見て頂きたいとも思います。

 

でも、絶対キッチリ軌道に乗せて、新しいことをドンドンやって行きます。

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結局、気合い一発、自分を鼓舞するためのエントリーになっちゃってすみません。

 

 

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griffin

グリフィンです。不動産業もWordPressも関わるようになってまだわずか。それを差し引いてお読みください。コメントはお気軽にどうぞ。

3 thoughts to “不動産業開業を検討されている読者の方とのメール。”

  1. 早々にお返事ありがとうございます。
    なるほど、です。すごいですグリフィンさん。ご自分でDIYされるとは。
    私も考えながら一歩ずつ前進してまいります。

  2. お久しぶりでございます。
    いよいよ開業できる店舗の契約が済み、いよいよ内装などしていく流れです。
    開業時は何かと費用が掛かります。グリフィンさんはすべて業者さんにお任せ
    されましたか?業者さんに依頼せずにご自分でされたことはおありでしょうか?

    1. anさんこんにちは。開業に向けて着実に進まれていますね。

      私の開業時には、事務所の内装などほぼ全て自分でやりました。いわゆるDIYですね。

      床を張ったり、ペンキを塗ったり、ドアの外観を変えたり、家具も自分の車で搬入しました(エレベーターのない2階なのでさすがに大変でした)。

      結局業者さんにお願いしたのは電話•ネットの回線開通と複合機の設置ぐらいとなりました。

      開業費用のみならず、訳あって当時何かと物入りだったのが最大の理由ですが、作業は楽しかったですよ。確か4、5日の作業で終わりました。じーっと見ると素人仕事なのはわかっちゃいますし、何より床張りで無茶苦茶腰が痛くなりましたけど。

      でも、後々のために、業者さんと繋がりを作った方がいいのかもなあと思ってもいたんですけどね。

      但し、業者さんに頼むとしてもあまり大げさなものせず、原状回復費用があまりかからないようなやり方を選んだと思います。

      大変だけど楽しい時期ですね。楽しんで準備してください。

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