こんにちは。宅建登録実務講習の2日間の演習講座には、無勉強で臨むことに決めたグリフィンです…。
credit: kevin dooley
あまり時間がなくて…。でもせっかく始めたブログ、適度に更新したいので今日は思い出話的なものを殴り書きます。営業の話ですが、「営業とは…するものである」的な立派な記事ではありません。それに、「交渉術」的なコンテンツもありません。どっちかと言えばホンワカ系の駄話です。
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最初は謝り仕事
起業前、長くお世話になった会社では「営業職」という訳ではなかったのですが、よく言えば何でもやらせてもらえる、悪く言えば組織がぐちゃぐちゃで真面目にやってると「何でも屋」に仕立て上げられる会社だったので、飛び込みの新規開拓も含め営業もかなりやりました。
その会社での最初の営業(営業と呼べるかな…)は入社2週間目ぐらいのヨチヨチの頃、クレームの電話(かなりご立腹)をしてきた取引先に1人で謝罪に行く、というものでした。たまたまクレームの電話を取ったのが私で、上司に話したら「グリフィンさん、謝りに行ってきて」。
そりゃあ心の中では「えええー、何で俺?っていうか、会った事もないぺーぺーが行って謝っても話しがこじれるだけじゃ…。」って思いました。それに、当時の私、「謝るの大嫌い」でしたので、「もうちょっと助走つけてから “謝りハードル” を越えさせていただきたい気が…」と甘いことを考えていたり。
でも、「はい!行ってきます!」と速攻上着を着て飛び出します。電車で向かう間、「でも、その取引先との間柄がいまいちわかってない…。下手な話し方したらまじでこじれるなあ、どうすりゃいいかな…。でもうちの会社が悪いのは明らかだな…。」などとぐるぐる考えながら移動。
で、結局取引先に到着するや否や、「申し訳ありませんでした!!!」と第一声、大声で深々と頭を下げました。
謝りに行く道すがら、ヨチヨチなりに「社内で誰に責任があるにしたって、会社の看板背負って謝りに行くんだから、本気で謝んなきゃな。気合入れていこう。」と思った訳です。
あまりにでかい声、「何事???」と振り返る人々、慌てて奥からクレーム電話をしてきた責任者が出てきて応対してくれました(もちろん初対面)。見るとニコニコしてる。
「いや、わかってくれればいいんです。まあまあ、こちらへ。」ってな感じで、一気にほっとしましたが、すぐに今後の対応等について説明しました(もちろん、上司と打ち合わせなんかしてないのでアドリブです…)。
会社に帰ってから知ったのですが、その取引先の責任者、厳しい人ということで対応するのを苦手にしている人が多いということでした(先に言ってよ)。その後、取引の窓口は私になったのですが、その方、厳しいとはいえ話のわかる方で、長い間可愛がってもらいました。
電波はよく確認しよう
出先にいた私の携帯が鳴りました。会社からトラブル報告の電話です。大口の取引先で部下がありえないようなミスを犯し、先方がカンカンになって怒っているとのこと。対応した者によると「もういい!」という感じで電話は切られてしまっています。
ちゃんと対応しないと恐らく「取引停止」です。その事業所の責任者だった私は、すぐに取引先を訪問しなければ、と思ったのですが、自分自身が重要な商談の約束があって出て来ているのです。約束の時間まで30分もなく、トラブル先まで往復したら4時間はかかるような状況。こちらのアポを変更したら、それはそれでトラブルになりそうです。
本当は自分の上長に行ってもらいたいところですが、正直この人に任せるとトラブルが拡大しそうな予感(前科がありますので…)。
ひとまず、部下一名に白羽の矢を立て、ミスった当人と一緒に取引先に急行してもらうことにします。また、私から先方に電話をして、まずは謝罪と私自らがすぐに行けないことも説明しなければなりません。
早速携帯電話で電話します。謝罪と部下を行かせる件、私がすぐには行けない件、後ですぐ訪問させてもらいたい件、何とか冷静に聞いてもらいました。ただそれですぐに収まるはずもなく、やはりお怒りの言葉を次々と、
「グリフィンさん、だいたい何でこんな事が起こるのか、俺はね、………が…………なところがおたくの会社の悪いところだと思うよ。グリフィンさんは知らないことかもしれないけど、前に○○さんが………した時も………だったし、グリフィンさんが………して……してることはわかるよ、でもね今回の件をちゃんと始末してもらうのはもちろんだけど、今後は………して…………まで努力してくれるのかどうか、そこまで確認できなかったら今後のお付き合いはヤバイと思うよ。だからね……」
うわわわっ、で電波が!!!
さっきまで普通に話せてたのに肝心なところで通話が途切れがちです。しかも、肝心中の肝心な部分がすっぽり聞こえません。一方、先方の通話には全く支障がない様子。先方が言いたい事言って、調子が上がってきて(クレームにリズムが出てきてる)、クールダウンしそうな最中なのにタイミング悪すぎ!
かと言って生返事でごまかすのも失礼だし、仕方がないので「すみません!電波が悪くてちゃんとお聞きできないので少しだけ待って下さい。」と言って一旦切りました。
その時私がいた場所は郊外にあるとある大学のキャンパス。キャンパスの中をうろうろしながら電波の改善を祈りますが一向に改善されません。その辺をあるいている呑気そうな学生をつかまえて、
「電波いいのどこ?教えて!」「どこか電波いいとこない?お願い!」「公衆電話は?どこかない?」「電波、電波、でんぱーっ…」
と訊いてまわりますが、私の人相か、はたまた必死さからなのか、多くの学生が一瞬ひるんで数秒考え、「さ、さあ…すみません…」ってな感じです。もしかしたらヤバイ「電波系の人」と思われたかも知れません。
「頼りにならんのお、このボケ!」などと言ってる余裕もなく、広大なキャンパスを走り回って次々と聞いてまわっているうちに、親切な女子学生が「この辺なら大丈夫じゃないかな。」と教えてくれました。
でも実はその後も、電波不安定で結局3回ぐらいかけ直しました。
そのうち、取引先の方もだんだん落ち着いてきて「グリフィンさん、ハアハア言ってるけど走ってるの?大丈夫?電波悪いのはしょうがないからさあ、来た時に話そう。」と言ってくれました。
後で話した時、電話の会話中の「………」の部分、かなり重要な内容で、謝っている身とはいえ、全ては飲めない内容。しっかりお話しして、出来ない事はお断りしましたが、その後、何とか取引は継続できました。
教訓 : この時代になってもやっぱり電波は確認しよう。確認してもダメなときはダメだけど。
愛想の悪い人ほど長く深い付き合いになるかも
ある事業所に赴任して仕事しはじめたばかりの頃。とある大きな取引先との間でシビアな条件交渉が継続中だということでした。聞けば確かにシビアな要求で全部飲むと経費的にかなり厳しい。それによっぽどのことがない限り、筋としてもうちが飲むべき内容ではありません。
担当者数名と話をしていると、「あそこの□□さん、こわいんですよねー」とか「△△さんっていう女性の方の要求が厳しくて」という話が出てきます。
それで、早速挨拶がてら担当者たちと訪問しました。うわさのお二人が応対してくれます。
おお!確かに個性的な方達!それに愛想らしきものがないなー。それにズバズバ要求を叩きつけてきます。それだけお金払って頂いてる大口ですけど。
実は私、一般的な営業マンのイメージからすると不適格だと思います。いわゆる会話の流れの中で世間話で話を繋ぐのが苦手なんです。営業を受ける立場の時もそうです。営業マンとだらだら取引と関係ない話をするのが苦手だし嫌いなんです。だからって外したりはしませんが、話が楽しいから物を買うという気にはならないタイプです(ちなみに女性がなんとなく「異性」を強調してくる感じの営業も苦手です。苦手なのは営業に限ってですが)。大先輩の営業マンに何度も同行しましたが、本題に入る前の駄話の時間がなんとも居心地悪くて苦手だったのを思い出します。
なので、ズバズバ要求に対して、ズバズバ回答します。「これはできます。」「これは金額を~~程度あげないとできません。」「これは金額にかかわらずできません。」その代わり理由を詳細に説明します。横で担当者がヒヤヒヤしながら聞いています。
そうこうしているうちに、先方のお二方ともなんだか和やかな雰囲気に。そしてまた、「ああ、これは確かに無理なんだな…。わかりました。」などと理解して下さいます。最後は男性の方が軽口(といっても取引内容についてですが)をバンバン叩き出し、女性がニコニコ笑っています。
その後本当に長い間(その会社を退職するまで)お付き合いを続けさせてもらったのですが、よくわかったのはこの方々、とても仕事に対して真面目だということです。真面目なので仕事を曖昧に流すことはしない、情実で取引を決めたりもしない。自分の組織の利益にも忠実なので要求も厳しい。高い品質を出来るだけ少ない経費で買おうとします。世間話が楽しいかどうかなんてどうでもいいから愛想も悪い。
でも、この営業先に出向くのは楽しみでしたし、色んな要求・提案を頂いたので勉強にもなりました。いつも交渉は単刀直入、ズバズバです。最初とは違って要件が終わると冗談が飛び交っていました。
要は波長が合った、ということで決して営業・交渉が上手って話じゃないです(それに「怖い」って言ってた担当者が、そうは言ってもきっちり繋いでいてくれたお陰です)。だって、世間話が大好き、取引も好みで選別、みたいな人も沢山います。経験上そういうお付き合いは切られる時も早い気がしますけど。
最初から愛想の良い人は、誰に対しても愛想がいいので「好感触!」などと勘違いしてはいけません。中身に対しての感触は別ですよね。
でも、世間話が苦手というのはやっぱり営業マンとしてはまずいよなあ、と思います。でも取引に少しでも関連する余談ならともかく、全く関係ないことは難しいなあ。そんなこと言うと、たくさん接待とかをしなきゃいけない仕事をされてる方に怒られそうですけど。
私、酒を飲むのも好きですし、スポーツも好きです。麻雀も指にタコができるぐらいはやりました(今はやめてます)。でも、接待での飲食、接待ゴルフ、接待麻雀等々、できればしたくないなあ。しらじらしいのがうまくないので、勝負事とかになると思いっきり勝ちにいきそうです。
不動産業は人のつながりが大事な仕事、だと思っています。エンドさん(この言葉使ってみたかっただけ)はともかく、大家・地主さん、先輩業者の方々と接待なしでやっていけるかどうかわかりませんが、とりあえず接待はなし、ってことで(いざとなればいくらでも飲めるし、バカもやれますけどね)。
「カチっ」と音が聞こえる瞬間が営業の楽しさ
もともとは「営業」は苦手だし、やりたくないな、と思っていました。「人が好きなので営業大好き」なんてことは口が裂けても言えない気がします。
でも、いつの間にか「意外と好きなのかも」と思うようになりました。うまく表現できませんが、営業先と必死でやりとりしている間に、「あっ」と思う分岐点が現れる、何ていうか歯車が動き出す「カチっ」という音が聞こえるような瞬間があって、その瞬間が楽しいなと思います。お客さんが「買うよ」という言葉を出すより前、こちらのアクションに呼応して自分で階段を昇ってきてくれる瞬間。
もちろん、売上が立った時は嬉しいです。
不動産営業は未経験。「営業」という言葉は同じでも随分と違うことでしょう。まさに丸腰状態。転びながら進むしかありませんね。
何だか内容の薄い回想録みたいになってしまいました。オチがなくてすみません。時間がある時に読み返して、あまりにつまんなかったら消しちゃいたくなるかもです。でも、そんなこと気にしないで書かないとブログ続かないかなあ。リンクさせて頂いてるブログの作者さんたちの文才や知識に感心する日々です。
◇◇◇
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実はこの記事、最後に書いたとおり一度消してしまっていたのですが、ある方から戻してって言って頂いていたので、戻しました。こっそり…。
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たぶんそのある方(フドーサン)のブログから来ました。名文です。読んでて泣きそうでした。
わたなべさん、コメントありがとうございます。
今度営業について記事を書く時は、不動産営業についてのエピソードを書きたいと思います。どんな話になるのか見当もつきませんが、辛くても楽しいエピソードになるよう頑張ります。
良かったらまた来てください。